乳がんとは、乳房の中にある細胞が、ルールを守らずに増え続けてしまう病気です。
私たちの体は、約37兆個もの細胞でできています。
それぞれの細胞には「いつ増えるか」「いつ休むか」という決まりごとがあり、普段はこのルールに従って働いています。
ところが、何らかのきっかけで細胞の設計図にあたるDNAに傷がつくと、そのルールが壊れてしまうことがあります。
すると細胞はブレーキが壊れた車のように、止まらずに増え続けてしまいます。これが「がん」です。
乳がんも同じです。
乳房の中にある細胞が、コントロールを失って増え続けることで起こります。
乳房の中はどうなっている?
乳房の中には、母乳を作るための小さな袋のような組織と、そこから乳首まで母乳を運ぶ細い管があります。
イメージとしては、木の枝のような構造です。
幹から枝が分かれ、その先に小さな実がついているような形です。
この
・母乳を作る場所
・母乳を運ぶ管
のどちらかの細胞から乳がんが生まれることが多いです。
なぜ「しこり」ができるの?
がん細胞は、周りの細胞のことを気にせずに増えていきます。
その結果、細胞がかたまりになり、触るとわかる「しこり」を作ることがあります。
たとえるなら、静かな住宅街に突然できた無秩序な建物の集まりのようなものです。
周囲のルールを無視して増えていくため、少しずつ広がっていくことがあります。
ただし、乳がんは必ずしもしこりとして触れるとは限りません。
とても小さい段階では、触ってもわからないことも多く、マンモグラフィや超音波などの検査で見つかることもあります。
乳がんは珍しい病気ではない
乳がんは、女性がかかるがんの中で最も多いがんです。
日本では、およそ9人に1人の女性が一生のうちに乳がんになるといわれています。
こう聞くと、とても怖い病気のように感じるかもしれません。
しかし、もう一つ大切な事実があります。
乳がんは、早く見つけて適切な治療を行えば治る可能性が高いがんでもあります。
医療の進歩によって、治療方法は年々増えています。
手術だけでなく、薬や放射線などを組み合わせることで、多くの人が治療を受けながら生活を続けています。
乳がんと診断されたとき
乳がんと診断されると、多くの方が
「どうして自分が?」
「これからどうなるの?」
と強い不安を感じます。
それはとても自然なことです。
ですが、乳がんは一つの病気の名前ではあっても、実は性質の異なるいくつものタイプがあります。
進行の速さも、治療方法も、人によって違います。
つまり、乳がんと一言で言っても、一人ひとり違うのです。
そのため、医師は検査を通して
・どのタイプの乳がんなのか
・どれくらいの広がりなのか
を詳しく調べ、その人に合った治療を考えていきます。
知ることは、不安を小さくする
乳がんと向き合うとき、最初に大切なのは「正しく知ること」です。
わからないことが多いほど、人は不安になります。
逆に、病気の仕組みや治療の流れが少しずつ見えてくると、不安は少し小さくなります。
この「乳がん図書館」では、乳がんについてできるだけわかりやすく解説していきます。
一度にすべてを理解する必要はありません。
気になるところから、少しずつ読んでいってください。
乳がんを知ることは、これから乳がんと向き合って生きていく皆さんの第一歩です。

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