乳がんの4つのタイプ。
その最後の一つが トリプルネガティブ乳がん です。
少し難しい名前ですが、意味はとてもシンプルです。
乳がんの検査では、がん細胞の特徴として次の3つを調べます。
・エストロゲン受容体(ER)
・プロゲステロン受容体(PgR)
・HER2
この3つがすべて陰性だった場合、その乳がんは
トリプルネガティブ乳がん(Triple Negative Breast Cancer)
と呼ばれます。
3つの特徴がない乳がん
これまでの記事で説明したように、
ホルモン陽性乳がんは
女性ホルモンを食べる口(ER) を持っています。
HER2陽性乳がんは
増殖命令を受け取るアンテナ(HER2) を多く持っています。
しかしトリプルネガティブ乳がんには
・女性ホルモンを受け取る口
・増殖命令を受け取るアンテナ
といった特徴がありません。
つまり、
はっきりした弱点がない乳がん
とも言えます。
そのため抗がん剤が中心になる
ホルモン陽性乳がんにはホルモン療法があります。
HER2陽性乳がんには抗HER2薬があります。
しかしトリプルネガティブ乳がんでは、これらの治療は効果が期待できません。
そのため治療の中心になるのが
抗がん剤(化学療法)
です。
抗がん剤は、細胞が増える仕組みを邪魔することで、がん細胞の増殖を抑える薬です。
トリプルネガティブ乳がんでは、この抗がん剤が重要な役割を持っています。
増えるスピードが速いことがある
トリプルネガティブ乳がんは、他のタイプの乳がんと比べて
増えるスピードが速いことがあります。
そのため手術の前に抗がん剤を行う
術前化学療法
が行われることも多くあります。
これは、手術の前にがんを小さくし、治療の効果を確認する目的もあります。
新しい治療も登場している
トリプルネガティブ乳がんは、以前は治療の選択肢が少ない乳がんと考えられていました。
しかし現在では、新しい治療も登場しています。
その一つが
免疫チェックポイント阻害薬
です。
これは、体の免疫ががん細胞を攻撃しやすくする薬です。
また最近では
抗体薬物複合体(ADC)
と呼ばれる新しいタイプの薬も登場しています。
このように、トリプルネガティブ乳がんの治療も少しずつ進歩しています。
最後に
トリプルネガティブ乳がんは、
ホルモン陽性乳がんやHER2陽性乳がんとは少し違う特徴を持つ乳がんです。
そのため治療の方法も異なります。
乳がんにはさまざまなタイプがありますが、それぞれに合った治療があり、
治療は日々進歩しています。
診断されたばかりで不安も大きいと思いますが、
主治医と相談しながら、自分に合った治療を一歩ずつ進めていきましょう。

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