乳がんのステージとは

乳がんと診断されると、多くの人が気になる言葉があります。
それが 「ステージ」 です。

ステージとは、簡単に言うと
がんが体の中でどのくらい広がっているかを表す指標です。

乳がんのステージは

ステージ0〜4

までの5段階に分類されます。

数字が大きくなるほど、がんが広がっていることを意味します。

ただし、ステージは「重症さ」や「危険度」を単純に表しているわけではありません。
治療方法を決めるための がんの広がりの地図 のようなものと考えると理解しやすいでしょう。


ステージは3つの情報から決まる

乳がんのステージは、主に3つの情報をもとに決められます。

それが

  • T(しこりの大きさ:Tumor)
  • N(リンパ節転移の数:Node)
  • M(乳房から離れた臓器に転移があるかどうか:Metastasis)

です。

これを TNM分類 と呼びます。

例えば

  • しこりの大きさは25㎜
  • 脇のリンパ節の浅いところに転移が1個
  • 他の臓器に転移がない

であればステージ2といったように決まります。


ステージ0

ステージ0

非浸潤がん

と呼ばれる状態です。

このステージでは、ミルクが通る管(乳管)から発生したがん細胞が乳管の中にとどまっており、乳管の外の脂肪や血管、リンパ管には広がっていません。

超早期の乳がんで、主に手術が治療の選択肢になります。


ステージ1

ステージ1 は、しこりが小さく、広がりが少ない乳がんです。

一般的には

しこりが2cm以下

で、

リンパ節転移がない、またはごく少ない(2㎜以下の微小転移)状態です。

この段階ではがん細胞は乳管の外の世界に触れており、血管やリンパ管に紛れ込んでいる可能性がゼロではなくなります。

そのため、手術でがんを取り除くだけでなく、体に広がってしまったかもしれないがん細胞に対して、ホルモン療法や抗がん剤、分子標的薬といった全身への治療が必要になることがあります。


ステージ2

ステージ2 になると

  • しこりが2cmを超えているが、脇のリンパ節に転移はない(2A)
  • しこりが2cm以下でも、脇のリンパ節に転移が見つかった(2A)
  • しこりが2cmを超えていて、かつ脇のリンパ節に転移が見つかった(2B)

といった状況であればステージ2(2A/2B)と判断されます。

このステージではがんは少し進行を始めています。がん細胞は増殖が進んで大きくなり、リンパ管を通ってリンパ節へ流れています。

ただし、まだ 見えているがん細胞を手術で体から取り除くことができる段階 です。

ただし、手術に加えて、抗がん剤やホルモン療法などの全身への治療がほとんどの方におこなわれます。


ステージ3

ステージ3 は、乳房やリンパ節への広がりが大きくなった状態です。

例えば

  • しこりが5cmを超えて大きくなっている
  • 多くのリンパ節に転移がある、転移したリンパ節が合体して大きくなっている
  • 乳房の皮膚をがんが突き破ってしまっている

といった場合が含まれます。

このステージでは見えているがんだけでも手術で取り切れない可能性があり、

治療では

  • 可能なら手術
  • 抗がん剤
  • 放射線治療

などを組み合わせて行うことが多くなります。


ステージ4

ステージ4

がんが乳房やリンパ節を越えて、乳房から離れた他の臓器や遠くのリンパ節に転移している状態です。

転移する場所としては

  • 肺/肺のリンパ節
  • 肝臓

などが知られています。

この段階では、がんを完全に取り除くことは難しく、
手術ではなく、ホルモン療法などの負担の少ない治療から徐々に抗がん剤などへ移行し、
がんと共存しながらなるべく長くいまの生活を続けていく治療が中心になります。


ステージだけで治療は決まらない

ここで大切なのは、
乳がんの治療はステージだけで決まるわけではないということです。

乳がんでは

  • ER(エストロゲン受容体)
  • PgR(プロゲステロン受容体)
  • HER2

といった がんの性格(サブタイプ) も重要です。

同じステージでも、がんのタイプによって治療方法は変わります。

つまり乳がん治療は

がんの広がり(ステージ)
がんの性格(サブタイプ)に加えて

その他の持病や年齢、遺伝子検査の結果、体の状態
など様々な要素を総合的に考えて決められます。


ステージは治療の出発点

乳がんと診断されたとき、ステージを聞いて不安になる人も多いと思います。

しかしステージは
いまあなたが立っている場所を示す治療の出発点です。

そして現在の乳がん治療は大きく進歩しており、
ステージごとに個別化されたさまざまな治療が行われています。

大切なのは、自分の乳がんの立ち位置で行われる治療を知り、
主治医と相談しながらご自身の価値観を踏まえた治療を選択していくことです。

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