腕のむくみが気になりはじめると、これからずっと付き合っていくのかな、と不安になりますよね。リンパ浮腫の治療は、複合的理学療法(CDT)が基本です。一つの特効薬があるわけではなく、複数の方法を組み合わせて、毎日少しずつ進行を抑えていきます。
治療の4本柱
複合的理学療法(CDT)
- 用手的リンパドレナージ(マッサージ)
- 圧迫療法(弾性着衣・包帯)
- 運動療法
- スキンケア
これらをすべて組み合わせて、毎日のケアとして取り組みます。4つと聞くと大変そうに感じますが、一つひとつは生活の中に少しずつ取り入れられるものばかり。慣れてくると、自分のペースでこなせるようになります。
① 弾性着衣(圧迫スリーブ)
腕の太さに合わせた専用のスリーブを装着。
- 保険適用あり(装着部位ごとに1年に2着まで、6か月以内の再給付は不可)
- クラス1〜3:圧の強さで分かれる
- 日中ずっと、または最低でも数時間装着
- 朝起きてすぐ装着するのがコツ
最初は締めつけが気になるかもしれませんが、サイズが合っていれば少しずつ体になじんでいきます。合わないと感じたら、我慢せずに調整してもらいましょう。
② リンパドレナージ
専門資格を持つセラピストによるマッサージ。
- 軽い圧で、リンパを流れる方向に動かす
- 1回30〜60分
- 保険適用は限定的(医師の処方が必要)
- 自分でできる「セルフリンパドレナージ」も指導してもらえる
③ 運動療法
軽い運動で、筋肉のポンプ作用を活用してリンパを流す。
おすすめの運動
- ウォーキング
- 軽い体操
- 水中ウォーキング(水圧で圧迫&動きやすい)
- ヨガ(ハードでないもの)
ハードな運動は逆効果になることもあるので、適度に。
④ スキンケア
皮膚を清潔・保湿で、感染を予防。
スキンケアのポイント
- 入浴後の保湿(乳液・クリーム)
- 傷をつくらない(ケガに注意)
- 虫刺されに注意
- ささくれ・乾燥の予防
- 感染(蜂窩織炎)の早期対応
特別なことではなく、肌をいたわる毎日の習慣の延長です。神経質になりすぎなくて大丈夫。気持ちよく続けられるのが一番です。
手術という選択肢
毎日のケアが基本ですが、進行した場合には、手術という選択肢もあります。
リンパ管細静脈吻合術(LVA)
詰まったリンパ管を、静脈と顕微鏡下でつなぐ手術。
- 軽症〜中等症に適応
- 局所麻酔の日帰り手術もあり
- 保険適用
リンパ節移植術
別の部位のリンパ節を移植する手術。
- やや進行した症例に
- 保険適用なし(自費が多い)
治療を行う施設
- リンパ浮腫外来:大病院に多い
- 形成外科:手術の適応評価
- リハビリ科:圧迫療法や運動指導
- 専門クリニック:CDTを集中的に
まとめ
リンパ浮腫のケアは、長く付き合っていくものです。でも、正しい方法を知って続けていけば、むくみとうまく折り合いをつけながら過ごせます。一人で抱え込まず、専門外来やセラピストの力も借りてくださいね。
※この記事は一般的な医学情報です。実際の治療方針は、病状、検査結果、体調、価値観によって異なります。必ず主治医と相談してください。