トリプルネガティブ(TNBC)と診断されると、「BRCA(ブラカ)の検査も受けましょう」とすすめられることがあります。
「遺伝」と聞くと身構えてしまうかもしれません。でもこの検査は、あなたの治療の選択肢を広げ、ご家族の安心にもつながる、大事な手がかりになります。
TNBCの中に、BRCA変異の方はどれくらい?
報告にもよりますが、TNBC全体のうち10〜20%ほどの方にBRCA変異があるとされています。
とくに、
- 若くして発症した(45歳以下)
- 両側の乳がん
- 家族に乳がん・卵巣がんの方が多い
といった条件があると、その割合はさらに高くなります。
なぜTNBCにBRCA変異が多いの?
BRCA1/2は、DNA(細胞の設計図)のほころびを直す「修理係・校正係」のような遺伝子です。
この修理係が生まれつき弱いと、傷が直されないまま積み重なり、設計図が大きく崩れていきます。その結果、
- ER・PgRを失う
- HER2の状態も乱れる
- グレードが高くなる
というふうに、TNBCらしい性格が現れやすくなる、と考えられています。
検査でわかると、選択肢が広がる
BRCA変異の有無がわかると、次のような選択肢が見えてきます。
BRCA変異がわかったときの選択肢
- PARP阻害薬(オラパリブ(リムパーザ)・タラゾパリブ(ターゼナ))が使える
- プラチナ系の抗がん剤がよく効く
- 反対側の乳房や、卵巣・卵管の予防切除という選択肢
- 血縁のご家族へ、検査や検診の情報を共有できる
PARP阻害薬は、BRCAに変化がある方だけが使える”専用の鍵”のような薬です。
検査をしないと、その扉が開けられません。だからTNBCの方には、早めの検査がおすすめなんですよ。
まとめ
※この記事は一般的な医学情報です。実際の治療方針は、病状、検査結果、体調、価値観によって異なります。必ず主治医と相談してください。