再建すると決めたら、次は方法の選択です。
大きく分けて、人工物(インプラント)を使う方法と、自分の体の組織を移植する自家組織の方法があります。この記事では、両者の違い・費用・放射線との関係を、ブレきゃん流に比較していきます。
再建しても、再発の発見が遅れることはない
「再建したら、再発が見つかりにくくなるのでは?」と心配される方がいますが、その心配はいりません。どの再建方法でも、再発が増えたり、再発の診断が遅れたりすることはない、と分かっています。安心して検討してください。
観点ごとの比較
観点
インプラント
自家組織
手術時間
1〜2時間
5〜10時間
入院期間
1週間程度
2週間程度
他の場所の傷
なし(胸のみ)
お腹・背中・太もも等
触り心地
やや硬め
自然な脂肪のやわらかさ
温かさ
体温より少しひんやり
体温と同じ
加齢にともなう変化
反対側だけ年齢を重ねていく
反対側と同じように変化
入れ替え
10〜15年で必要なことあり
不要
放射線への耐性
被膜拘縮のリスクあり
比較的良好
まれなリスク
ごくまれにインプラント関連リンパ腫(BIA-ALCL)の報告あり。定期受診で対応
該当なし
医療費総額(10割)
約110万円
約120万円
高額療養費後の実質負担
(区分ウ・年収約370〜770万円)
(区分ウ・年収約370〜770万円)
約17万円
約9万円
インプラント再建が向く人
こんな人におすすめ
- 体への負担を最小限にしたい
- 入院期間を短くしたい
- 別の場所に大きな傷を作りたくない
- 太もも・お腹に脂肪が少ない
- 仕事復帰を急ぎたい
インプラントで知っておきたいこと
- 感染や、皮膚からの露出に注意が必要
- 長い年月のうちに、破損や被膜拘縮(硬くなること)が起こることがある
- ごくまれに、インプラント関連リンパ腫(BIA-ALCL)という病気の報告がある(定期受診でチェック)
- エキスパンダー(皮膚を伸ばす仮の袋)を入れている間は、磁石が入っているためMRI検査を受けられない
- もともと下垂した乳房では左右差が出やすく、反対側の手術が必要になることも
自家組織再建が向く人
こんな人におすすめ
- 自然な触感を重視したい
- 入れ替え手術を避けたい
- 放射線治療を予定している
- 移植に使える脂肪が十分にある
- 長めの入院・回復期間を取れる
脂肪注入という方法も
自分の体から吸引した脂肪を、乳房に注入する方法もあります。傷が小さく、やわらかく自然な仕上がりになるのが利点です。
ただし、
- 今のところ自費診療で、費用が高額
- 一度では足りず、複数回に分けて行うことが多い
- 大きな乳房の再建には向かない
といった特徴があります。希望する場合は、実施している施設で詳しく相談してください。
放射線治療との関係
形成外科医との相談が大事
最終的には、形成外科医と相談して決めます。
- 自分の体型に合うか
- 採取できる脂肪があるか
- 過去の手術歴
- リスクの評価
形成外科の専門医がいる病院で、十分な説明を受けて決めましょう。
費用感
医療費の目安(区分ウ・年収約370〜770万円)
- 医療費総額:インプラント約110万円/自家組織約120万円(10割、入院費込みの目安)
- 3割負担額:おおよそ30〜35万円
- 高額療養費後の実質負担:インプラント二期 約17万円/自家組織一次 約9万円
- インプラントは手術が2回(別月)になるため、月の上限額が2ヶ月分かかるのがポイント
- 入院前に限度額適用認定証を取得すれば、窓口支払いも上限内で済む
- 所得区分が低ければさらに軽減される(医療費・高額療養費の詳細 参照)
自家組織による再建は2006年から、人工乳房による再建は2013年から保険が使えるようになりました。ただし、人工乳房による再建はどの施設でもできるわけではないので、対応している病院かどうかを確認しましょう。
まとめ
※この記事は一般的な医学情報です。実際の治療方針は、病状、検査結果、体調、価値観によって異なります。必ず主治医と相談してください。