ASCO2026特集、第3弾。スイスの Roger Von Moos 先生が発表した REDUSE(リデュース)試験です。
骨転移の治療を続けている方の、地味だけど切実なストレス——「月に一度のデノスマブ(ランマーク)注射」を、減らせるんじゃないの? という研究。さっそく見ていきましょう。
そもそもデノスマブ(ランマーク)って?
骨転移のある方に、骨折などの骨のトラブルを防ぐために使う、4週ごとの注射薬です。とても有用な薬ですが、いくつか課題も抱えています。
デノスマブの「いいところ」と「課題」
- ◎ 骨折・骨の痛みなど、骨のトラブルを防ぐ力が強い
- △ 月1回の通院・注射の負担
- △ 高額な薬価
- △ 低カルシウム血症(血液中のカルシウムが下がる)
- △ 顎の骨が溶けてしまう顎骨壊死(がっこつえし/ONJ)
REDUSE試験で、何がわかったの?
対象は、骨転移が3個以上ある乳がんの方と、治療が効きにくい前立腺がんの方(合わせて1,380人)。この方たちを、こう振り分けました。
REDUSEの分け方
- これまで通り、ずっと 4週ごと に注射するグループ
- 最初の4回は4週ごとに打って、そのあとは 12週(3か月)ごと へ間隔を延ばすグループ
そして、骨折など「症状をともなう骨のトラブル」が起きるまでの期間に差が出ないか(=間隔を延ばしても劣らないか)を検証しました。
一言でいうと——
「間隔を3倍に延ばしても、骨を守る力は変わらず、副作用はむしろ少なめ」
ということでした。
私の外来でも、若くしてデノスマブの副作用で顎骨壊死を起こし、苦労されている方がいたから、これは素直に嬉しいニュース。高い薬だし、骨転移がある方は基本ずっと打ち続ける注射だから、回数が減れば通院も費用もぐっと楽になるよね。
ただし、注意点
ちょっと専門的な背景(読み飛ばしOK)
ブレきゃんからのメッセージ
乳がんの治療は、手術も薬も「強く・たくさん」から「必要十分に」へ——引き算の時代に入っています。骨を守る注射も、その流れのなかにあります。
ただ、“減らす”には根拠と見極めが要ります。間隔を変えるのは自己判断ではなく、必ず主治医と一緒に決めていきましょう。
※この記事は、学会(ASCO2026)で発表された段階のデータをもとにしています(論文化前)。対象や数値は今後変わる可能性があります。
※この記事は一般的な医学情報です。実際の治療方針は、病状・検査結果・体調・価値観によって異なります。必ず主治医と相談してください。