ドセタキセル
商品名:タキソテール がん細胞が分裂するときに染色体を引っ張る装置(微小管)を止める抗がん剤。
📅 投与方法・期間
3週ごとに点滴。基本は4〜6サイクル。HER2陽性ではトラスツズマブ/ペルツズマブと併用。
標準的な治療期間:12〜18週(4〜6サイクル)
⚠️ よくある副作用
- 脱毛(ほぼ100%)
- 好中球減少
- 倦怠感
- 浮腫(むくみ・体重増加)
- 爪の変色・浮き上がり
- 末梢神経障害(手足のしびれ)
- 口内炎
- 味覚異常
🚨 まれだが注意したい副作用
- 発熱性好中球減少症(FN)
- 重度のアレルギー反応(初回〜2回目)
- 重度の浮腫
- まれに間質性肺炎
🍽 食事・飲み合わせ
他の薬:
- 強いCYP3A4阻害薬(ケトコナゾール等):濃度上昇、副作用増強
🤰 妊娠・授乳について
この薬は妊娠中・授乳中は禁忌です。服用期間中の避妊について必ず主治医にご確認ください。
どんな人が対象?
乳がん化学療法の主役級。全サブタイプで使われます。
- 術前・術後の化学療法(TC療法、AC→T療法など)
- HER2陽性ではトラスツズマブ/ペルツズマブと併用
- 進行・再発乳がんの治療
どうやって効く?
細胞が分裂するときには、染色体を2つに引っ張り分ける 微小管(びしょうかん) という装置が必要です。ドセタキセルはこの 微小管をガチガチに固めて動けなくする ので、がん細胞は分裂を完了できずに死んでしまいます。
増殖が速い細胞ほど影響を受けるため、髪・骨髄・粘膜・爪などの正常細胞も一時的にダメージを受けます(これが副作用の正体)。
パクリタキセルとの違い
兄弟関係の薬で、同じ「微小管を固める」仕組みです。違いは:
| ドセタキセル | パクリタキセル | |
|---|---|---|
| 投与間隔 | 3週ごと | 毎週 or 3週ごと |
| アレルギー | 少なめ | やや多め(前投薬必須) |
| 浮腫 | 出やすい | 出にくい |
| 末梢神経障害 | 中程度 | 強い傾向 |
| 脱毛 | ほぼ100% | ほぼ100% |
レジメンによってどちらが選ばれるかは異なります。
副作用の対策
- 発熱性好中球減少症:白血球が下がるタイミング(投与後7〜10日)に37.5度以上の発熱があれば即受診
- 爪の変色・浮き上がり:爪先を冷却して血流を下げる「冷却グローブ」が予防に有効
- 脱毛:ほぼ確実に起こる。詳しくはNo.2047 脱毛のメカニズムを
お金の話
1サイクル(3週)で3割負担 約3万円。FEC や AC と組み合わせると、化学療法期間中の自己負担はかなり大きくなりますが、ほぼ確実に限度額認定証の対象です。
通院時の交通費・ウィッグ代・体調不良時の家事代行など、薬代以外のコストも見越して準備を。
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※ この情報は一般的な参考情報です。実際の治療方針・用量・期間は、病状・体調・他のお薬との兼ね合いで異なります。必ず主治医と相談してください。
最終更新:2026-05-18