アベマシクリブ
あべましくりぶ (ベージニオ)
がん細胞の「分裂のアクセル(CDK4/6)」を毎日止め続ける、術後高リスクにも使える分子標的薬。
基本情報
- 分類
- CDK4/6阻害薬
- はたらき
- 分裂のアクセル(CDK4/6)を止める
- のみ方・打ち方
- 飲み薬
- 使う場面
- ホルモン陽性 手術のあと(再発リスクが高いとき)・転移・再発
よくある副作用
- 下痢(特に開始初期に強く、徐々に軽くなる)
- 好中球減少
- 倦怠感
- 吐き気・食欲不振
- 肝機能異常
- 髪が少し薄くなることがある(抗がん剤のような脱毛はなし)
注意したい副作用
- 重度の下痢・脱水
- 重度の好中球減少
- 静脈血栓塞栓症
- まれに間質性肺炎
どんな人が対象?
ホルモン陽性HER2陰性乳がん の方向けの CDK4/6阻害薬。パルボシクリブと違って、
・術後の高リスク症例(リンパ節転移4個以上、または 1〜3個+T3以上 や G3 や Ki-67≧20%)
・進行・再発乳がんの治療
の 両方 で使えます。術後追加治療として承認されているのが大きな違い。
承認されたときの添付文書では、術後の対象は「4個以上、または1〜3個で5cm以上かグレード3」だけでした。2026年9月に、monarchE試験の7年追跡の結果をもとに「1〜3個でKi-67 20%以上」も加わりました(効能・効果の変更ではなく、臨床成績の欄の改訂です)。
どうやって効く?
パルボシクリブ と同じく CDK4/6 をブロック して、がん細胞の分裂アクセルを止めます。仕組みは兄弟。
副作用の特徴:開始初期の下痢
アベマシクリブ最大の悩みは 下痢:
・70〜80% に出現
・特に開始2週間〜1ヶ月 が強い
・多くは下痢止め(ロペラミド)で対処可能
・数ヶ月で軽くなることが多い
ただし、ひどいときは無理せず休薬・減量を主治医と相談。重度の下痢で脱水になると入院になる こともあります。
パルボシクリブとの違い
投与/パルボシクリブ 21日内服→7日休薬/アベマシクリブ 毎日休薬なし
副作用/パルボシクリブ 好中球減少/アベマシクリブ 下痢(初期に強い)
適応/パルボシクリブ 進行・再発(2026年9月からホルモン陽性HER2陽性の化学療法後の維持療法も)/アベマシクリブ 高リスク術後+進行・再発
食事・飲み合わせ
食事:
・グレープフルーツ禁忌(濃度上昇)
他の薬:
・強いCYP3A4阻害薬
妊娠・授乳
この薬は妊娠中・授乳中には使えません。使っている期間の避妊について、主治医に確認してください。