シクロホスファミド
しくろほすふぁみど (エンドキサン)
がん細胞の設計図(DNA)を直接壊してコピー不可能にする、化学療法の基本薬。
基本情報
- 分類
- アルキル化薬
- はたらき
- DNAを壊す(アルキル化)
- のみ方・打ち方
- 点滴
- 使う場面
- ホルモン陽性・HER2陽性・トリプルネガティブ 手術の前・手術のあと・手術のあと(再発リスクが高いとき)・転移・再発
- 使われるレジメン
- J001AC/EC療法 J009ペムブロリズマブ併用療法(周術期)
よくある副作用
- 吐き気・嘔吐
- 脱毛
- 骨髄抑制
- 倦怠感
- 口内炎
- 食欲不振
注意したい副作用
- 発熱性好中球減少症
- 出血性膀胱炎(大量輸液で予防)
- まれに二次性白血病
- 重度の感染症
- 不妊(特に若年女性)
どんな人が対象?
化学療法の 基本成分 として、ほぼすべてのサブタイプで使われます。単独より、レジメンの一部として使われます:
・AC療法:アドリアシン(ドキソルビシン)+シクロホスファミド
・FEC療法:フルオロウラシル+エピルビシン+シクロホスファミド
・TC療法:ドセタキセル+シクロホスファミド
「AC の C」「EC の C」がシクロホスファミドです。
どうやって効く?
シクロホスファミドは アルキル化薬 に分類されます。体内で活性型に変換されたあと、DNA に化学的に結合(アルキル化) して DNA を壊します。
DNA が壊れたがん細胞は、コピーができないので分裂できずに死んでしまいます。
知っておきたい副作用:出血性膀胱炎
シクロホスファミドの代謝産物(アクロレイン)が膀胱の粘膜を傷つけ、血尿・膀胱炎 を起こすことがあります。
予防策:
・投与日とその翌日は しっかり水分を摂る(1日2L以上)
・排尿を我慢しない
・寝る前にもう一度トイレへ
妊孕性への影響
シクロホスファミドは 卵巣機能を低下させる作用が強め な薬。若年女性では、
・治療後の月経復活率が低下することがある
・卵子凍結など妊孕性温存を考えるなら 化学療法開始前に決める
・LH-RHアゴニストの併用で卵巣保護を試みることも
詳しくは No.3004 妊孕性温存 を。
食事・飲み合わせ
他の薬:
・アロプリノール(痛風の薬):骨髄抑制が増強されることがある
・放射線治療:副作用が増強されることがある
妊娠・授乳
この薬は妊娠中・授乳中には使えません。使っている期間の避妊について、主治医に確認してください。
くすりの説明書
国(PMDA)が公開している文書です。ご自身が受け取った薬の名前で探してください。