パクリタキセル
商品名:タキソール がん細胞の分裂装置(微小管)を止める抗がん剤。ドセタキセルの兄弟、毎週点滴型。
📅 投与方法・期間
毎週点滴(weekly)または3週ごと(tri-weekly)。HER2陽性ではトラスツズマブと併用。
標準的な治療期間:12週(weekly 12回)が多い
⚠️ よくある副作用
- 脱毛(ほぼ100%)
- 末梢神経障害(手足のしびれ、強め)
- 好中球減少(ドセタキセルより軽い傾向)
- 倦怠感
- 関節痛・筋肉痛
- 爪の変色
- 口内炎
🚨 まれだが注意したい副作用
- 重度のアレルギー反応(初回〜2回目):前投薬必須
- 発熱性好中球減少症
- 重度の末梢神経障害(指の細かい作業ができなくなる等)
- まれに間質性肺炎
🍽 食事・飲み合わせ
他の薬:
- 強いCYP3A4阻害薬(ケトコナゾール等)
🤰 妊娠・授乳について
この薬は妊娠中・授乳中は禁忌です。服用期間中の避妊について必ず主治医にご確認ください。
どんな人が対象?
タキサン系の代表選手。全サブタイプで使われます。
- 術前・術後の化学療法(AC→T療法の “T” がパクリタキセル or ドセタキセル)
- HER2陽性ではトラスツズマブと併用(Weekly Paclitaxel + Herceptin:APT試験で確立)
- 進行・再発でベバシズマブと併用することも
ドセタキセルとの違い
ドセタキセル の解説を参照。一言で言うと:
- パクリタキセル = 毎週点滴 / 神経障害強め / 浮腫少なめ
- ドセタキセル = 3週ごと点滴 / 浮腫出やすい / 神経障害中程度
毎週通院が苦にならない方・神経障害より浮腫が気になる方は パクリタキセル、3週ごとがいい方・神経障害が心配な方は ドセタキセル、という選び方も。
アレルギー対策
パクリタキセルは初回〜2回目でアレルギー反応が出やすい薬。これを抑えるため、点滴前にステロイド・抗ヒスタミン薬(前投薬)が必須です。
3回目以降は前投薬を減らせることもあります。
末梢神経障害
パクリタキセル最大の悩みは「手足のしびれ」。指先の細かい作業(ボタン留め・パソコン入力)が辛くなる方も。
予防として 冷却グローブ・冷却ソックス が一部効果を示しています。詳しくは No.2024 末梢神経障害 を。
ナブパクリタキセル(アブラキサン)との違い
ナブパクリタキセルは、パクリタキセルをアルブミンに包んで運ぶ製剤。
- アレルギー反応がほぼなく、前投薬不要
- 1回の点滴時間が短い(30分程度)
- ただし薬価が高い
お金の話
Weekly Paclitaxel で 1サイクル(1週)3割負担 約4千円、12週で5万円程度。
化学療法期間中はほぼ毎月限度額認定証の対象です。
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※ この情報は一般的な参考情報です。実際の治療方針・用量・期間は、病状・体調・他のお薬との兼ね合いで異なります。必ず主治医と相談してください。
最終更新:2026-05-18