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おくすり図鑑 フッ化ピリミジン系(経口抗がん剤) K015

テガフール・ギメラシル・オテラシル

てがふーるぎめらしるおてらしる (ティーエスワン(S-1))

ブレきゃん流ひとこと説明

DNAの材料の工場を止める飲み薬。3成分の組み合わせで、効果を長く・副作用を軽くする工夫がされているよ!

基本情報

分類
フッ化ピリミジン系(経口抗がん剤)
はたらき
DNAの材料に偽物として紛れ込む(代謝拮抗)
のみ方・打ち方
飲み薬
使う場面
ホルモン陽性 手術のあと(再発リスクが高いとき)・転移・再発

よくある副作用

  • 流涙(涙が出やすい・目のかすみ)
  • 色素沈着(指先・口の周り)
  • 下痢
  • 口内炎
  • 倦怠感
  • 吐き気・食欲不振

注意したい副作用

  • 重度の骨髄抑制
  • 重度の下痢・脱水
  • 涙道閉塞(流涙が続く場合)
どんな人が対象?

ホルモン陽性HER2陰性で高リスクの術後追加治療、もしくは 進行・再発乳がんで、点滴以外の抗がん剤の選択肢として 使われます。

・術後追加:POTENT試験を根拠に、ホルモン療法と一緒に1年間内服

・進行・再発:他の薬で効きにくくなったあとの選択肢

術後追加では、ベージニオ(アベマシクリブ)と並ぶ「高リスク術後の二大選択肢」になります。詳しくは No.3100 TS-1とベージニオどっち? を。

どうやって効く?

ティーエスワンの本体「テガフール」は、体内で 5-FU(フルオロウラシル) に変わって働きます。

5-FU は、DNAの材料のひとつ「T」を作る工場(チミジル酸合成酵素)の中に入り込み、工場を動かなくしてしまいます。

「T」が足りなくなったがん細胞は、設計図(DNA)をコピーできなくなり、分裂が止まります。

(こういう薬を 代謝拮抗薬 と呼びます。カペシタビンと同じ仲間です。)

3成分の意味

ティーエスワンには3つの成分が入っています:

・テガフール:体内で 5-FU に変換される成分(本体)

・ギメラシル:5-FU の分解を抑え、効果を長持ちさせる

・オテラシル:消化管への影響を減らし、下痢を軽減

3つが組み合わさることで、効きながら副作用を軽くする設計です。

特徴的な副作用:色素沈着と流涙

・色素沈着:指先・爪・口の周りが黒っぽくなる。治療終了後に元に戻ります

・流涙:涙が出やすくなる、目がかすむ。重度になると 涙道(鼻涙管)が狭くなって閉塞 することがあり、放置すると眼科治療が必要になります。症状が続いたら早めに主治医・眼科に相談してください

服薬のリズム

術後追加治療としては、「2週飲んで、1週休む」を1年間繰り返します。

進行・再発で使う場合は、「4週飲んで、2週休む」と、休薬期間が長めになります。

いずれもカレンダー管理が必要で、毎日朝晩の服用に加えてサイクルを把握しながら飲んでいきます。

食事・飲み合わせ

食事:

・食後服用(吸収が安定)

他の薬:

・ワルファリン:抗凝固効果が増強

・他のフッ化ピリミジン系:併用禁忌

妊娠・授乳

この薬は妊娠中・授乳中には使えません。使っている期間の避妊について、主治医に確認してください。

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別の呼び方:ティーエスワン