「悪性度が高いタイプですね」——そう言われると、「進行が速い=もう手遅れなの?」と、どきっとしてしまいますよね。
でも、トリプルネガティブ(TNBC)の「悪性度が高い」には、ちゃんとした理由があり、そして裏返しの”弱点”もあります。こわがる前に、順番に見ていきましょう。
理由① 設計図の傷が多い
TNBCのがん細胞は、DNA(細胞の設計図)にたくさん傷が入っていることが多いタイプです。
設計図が乱れるほど、
- 細胞のかたちや働きが大きく崩れる
- 増殖のブレーキがきかなくなる
- 分裂のスピードが速くなる
という性質が出てきます。組織の「顔つき」を表すグレードも、TNBCでは最も高いグレード3が多いのが特徴です。
理由② かつては「狙う的」がなかった
ホルモン陽性なら「エサ(女性ホルモン)を減らす」、HER2陽性なら「アンテナを止める」——そんな狙い撃ちの治療があります。
ところがTNBCは、その的になる目印を持っていないため、長いあいだ抗がん剤しか使える薬がありませんでした。これが「効く薬が少ない」と言われてきた理由です。
理由③ 再発の時期が早い
TNBCは、再発するとしたら、その時期が診断から2〜3年に集中するという特徴があります。
「悪性度が高い」の中身をみてみよう
「悪性度が高い」という言葉だけが、こわい意味でひとり歩きしがちですが、なぜ悪性度が高いと言われるのか、中身をみてみましょう。
「悪性度が高い」の本当の意味
- 増殖のスピードが速い
- 再発するなら、その時期が早い
- でも、抗がん剤への反応はむしろ良い
- 早期に見つけてしっかり治療すれば、長く元気に過ごせる方もたくさんいる
「増殖が速い」ことは、裏を返せば「抗がん剤がよく効く」ということでもあるんです。
こわい言葉の響きにのまれず、いまできる治療に集中していきましょうね。
まとめ
※この記事は一般的な医学情報です。実際の治療方針は、病状、検査結果、体調、価値観によって異なります。必ず主治医と相談してください。