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がんの特徴図鑑 増殖に関わるタンパク No.007

HER2

はーつー(Human Epidermal growth factor Receptor 2)

概要

乳がんの約10〜15%で細胞膜上に存在する受容体型チロシンキナーゼ。ERBB2遺伝子によって作られる。ほかのHERファミリー受容体と二量体を形成すると、PI3K–AKT経路やMAPK経路などを介して、細胞の増殖や生存に関わるシグナルを伝える。抗HER2療法の適応を決める重要なバイオマーカーとして用いられる。

ブレきゃん流ひとこと説明

HER2はがん細胞の表面にある、「もっと増えなさい」という体からの命令を受け取るアンテナのようなタンパクのこと。このアンテナがたくさんある乳がんは増えるのが速いんだ。

でもそのぶん、アンテナを狙い撃ちする薬(抗HER2療法)がとてもよく効く。だから陽性かどうかを必ず調べるんだね。

関係するひと
乳がんと診断されたひと全員
関係する治療
抗HER2療法
調べる方法
CNB(針生検)VAB(吸引式組織生検)手術の結果免疫染色FISH法

陽性/陰性の判定

免疫染色をおこない、以下のいずれかを用いて判定します。

免疫染色(IHC)

がん細胞の膜がどう染まるかで、0・1+・2+・3+の4段階に分け、陽性/陰性の2段階で判定します。

2+のときはこの検査だけでは決まらず、FISH法で確定させます。

※手術不能または再発乳がんではT-DXd(トラスツズマブ デルクステカン)の適用を決定するためにさらに陽性/低発現/超低発現/無発現(null)の4段階に分類されます

IHCスコア 染まり方 判定 T-DXd適応決定カテゴリー
3+ 10%を超えるがん細胞に、強い完全な全周性の膜染色が認められる 陽性
2+(FISH陽性) 10%を超えるがん細胞に、弱い/中等度の全周性の膜染色が認められる 陽性
2+(FISH陰性) 同上 陰性 低発現(low)
1+ 10%を超えるがん細胞に、かすかな/かろうじて認識できる不完全な膜染色が認められる 陰性 低発現(low)
0(膜染色あり) 10%以下のがん細胞に、かすかな/かろうじて認識できる不完全な膜染色が認められる 陰性 超低発現(ultralow)
0(膜染色なし) がん細胞に染色像が認められない 陰性 無発現(null)

固形癌HER2病理診断ガイダンス 第3版(日本病理学会 編)を元に作成

関連データ

日本での分布

13% 陽性
  • 陽性 13%
  • 陰性 73%
  • 判定不能・不明 14%

全国乳がん患者登録調査報告第55号2024年次症例を元に作成

判定の流れ

  1. 免疫染色(IHC)で 0・1+・2+・3+ のどれかを判定する
  2. 3+ なら陽性、0 または 1+ なら陰性が決まる
  3. 2+ のときはFISH法に進み、遺伝子が増えているかで陽性・陰性を確定させる

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別の呼び方:ヒト上皮成長因子受容体2型