トリプルネガティブ乳がん
とりぷるねがてぃぶにゅうがん(Triple Negative Breast Cancer)
概要
ER(エストロゲン受容体)、PgR(プロゲステロン受容体)、HER2の3つがすべて陰性の乳がん。内分泌療法も抗HER2療法も効かないため化学療法が治療の中心になる。増殖が速い一方で化学療法への反応はよく、近年はPD-L1やPARP(BRCA1/2関連)を目印にした薬も加わった。
女性ホルモンを食べる口(ホルモン受容体)も、増殖命令を受け取るアンテナ(HER2)も持っていないタイプだよ。
狙い撃ちの的がないぶん化学療法が中心になるけれど、増えるのが速い分だけ抗がん剤はよく効くんだ。
- 関係するひと
- ER・PgR・HER2の3つがすべて陰性だったひと
- 関係する治療
- 化学療法免疫チェックポイント阻害薬
- 調べる方法
- CNB(針生検)VAB(吸引式組織生検)手術の結果免疫染色FISH法
関連データ
日本での分布
- トリプルネガティブ 8%
- ホルモン陽性・HER2陰性 64%
- ホルモン陽性・HER2陽性 9%
- ホルモン陰性・HER2陽性 5%
- 判定不能・不明 14%
全国乳がん患者登録調査報告第55号2024年次症例を元に作成
がんの広がり別の5年相対生存率(米国)
- 乳房に限局 92.8%
- リンパ節転移まで 68.3%
- 遠隔転移あり 14.9%
米国SEERの分け方で、ステージI〜IVとは対応しません。相対生存率は、がん以外の死因の影響を取り除いた生存率です。
米国SEER 21(イリノイ州を除く)2016〜2022年 Cancer Stat Facts を元に作成
判定の流れ
- 針生検などで取った組織を免疫染色で調べ、ERとPgRがどちらも陰性であることを確認する
- 同じ組織を免疫染色で調べ、HER2が陰性であることを確認する(2+のときはFISH法で確定させる)
- 3つとも陰性ならトリプルネガティブ乳がん
アンケート結果
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再発のピークは最初の1〜3年
トリプルネガティブ乳がんには、再発するとしたらその時期が早い、という特徴があります。診断から1〜3年に集中し、5年を過ぎるとそれ以降の再発はほかのタイプより少なくなっていきます。
ホルモン陽性・HER2陰性乳がんが10年以上たってから再発することがあるのとは、対照的です。
免疫チェックポイント阻害薬の登場
ERもPgRもHER2も陰性ということは、その3つを狙う薬が効かないという意味です。長いあいだ、トリプルネガティブ乳がんの薬物療法は化学療法が中心でした。
いまは変わってきています。ステージII以上では、化学療法に免疫チェックポイント阻害薬を組み合わせる治療が主流になりつつあります。
免疫チェックポイント阻害薬は、がんを直接たたく薬ではありません。がんが免疫にかけているブレーキを外して、自分の免疫細胞ががんを攻撃できるようにする薬です。
関連する用語
ER(エストロゲン受容体)HER2組織学的グレード組織型ホルモン受容体ホルモン陰性・HER2陽性乳がんホルモン陽性・HER2陰性乳がんホルモン陽性・HER2陽性乳がんサブタイプKi-67遺伝性乳癌卵巣癌
関連するお薬
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