カルボプラチン
商品名:パラプラチン📅 投与方法・期間
3週ごと(または毎週)に点滴。AUCで投与量を個別計算。
標準的な治療期間:4〜6サイクル(術前・術後)
⚠️ よくある副作用
- 骨髄抑制(特に血小板減少)
- 倦怠感
- 吐き気・嘔吐
- 食欲不振
- 末梢神経障害(軽め)
- 脱毛(軽め〜中程度)
🚨 まれだが注意したい副作用
- 重度の血小板減少(出血リスク)
- 過敏症反応(反復投与で増えやすい)
- 腎機能障害(シスプラチンよりは軽い)
- 聴力障害(まれ)
🍽 食事・飲み合わせ
他の薬:
- 腎毒性のある薬(一部の抗菌薬など)
🤰 妊娠・授乳について
この薬は妊娠中・授乳中は禁忌です。服用期間中の避妊について必ず主治医にご確認ください。
特に トリプルネガティブ乳がん(TNBC) や BRCA変異 のある症例で使われることが多いプラチナ系抗がん剤。乳がん領域では、使うレジメンは限られています:
- TNBC の術前化学療法:KEYNOTE-522 レジメン(ペムブロリズマブ+カルボプラチン+パクリタキセル → AC)の一部として
- 進行・再発乳がん:ゲムシタビン+カルボプラチン(GC療法)など
なお、乳がん領域でカルボプラチン+パクリタキセルだけを使うことは、日本ではほとんどありません。
転移・再発でパクリタキセルを使うときは、ベバシズマブ併用(アバパク) や パクリタキセル単剤 のほうが日本では一般的です。
いま注目されている使い方
近年、TNBCの術前化学療法にカルボプラチンを加えると、pCR率や無病生存率(EFS)が改善する ことが、複数の臨床試験で示されてきています。
- PEARLY試験(韓国、ASCO 2024):5年EFS 81.9% vs 74.4%(+7.5%)
- NeoCART試験(中国、ASCO 2020):pCR 61.4% vs 38.6%
- SABCS 2025 プール解析:3試験のメタ解析でpCR・EFSとも改善を確認
KEYNOTE-522 レジメンの背景にあるのも、こうしたカルボプラチンの上乗せ効果の知見です。
どうやって効く?
「プラチナ製剤」と呼ばれるこの薬は、白金(プラチナ)原子が DNA に強く結合 して、DNA を「固めて」しまいます。固まった DNA はコピーできないので、がん細胞は分裂できずに死んでいきます。
特に BRCA変異 があるがん細胞は DNA の修復が苦手なので、プラチナの効きが良いことが知られています。
シスプラチンとの違い
| シスプラチン | カルボプラチン | |
|---|---|---|
| 効きの強さ | 強い | 同等〜やや弱い |
| 吐き気 | 非常に強い | 中程度 |
| 腎毒性 | 強い(大量輸液必要) | 軽い |
| 聴力障害 | あり | 少ない |
| 血小板減少 | 軽い | やや強い |
乳がんでは カルボプラチンの方が広く使われる(副作用が日常生活に響きにくいため)。
AUC(投与量の計算)
カルボプラチンは「mg/m²」ではなく AUC(Area Under the Curve) という指標で投与量を決めます。AUC 5・AUC 6 などの値があり、患者さんの腎機能(クレアチニンクリアランス)から個別計算します。
過敏症(アレルギー反応)
カルボプラチンは 反復投与で過敏症(アレルギー反応)が増える という特徴があります:
- 6サイクル目以降で出やすい
- かゆみ・じんま疹・呼吸困難など
- 症状があれば即座に主治医へ
お金の話
パラプラチン単独の薬剤費は、3割負担で 1サイクル¥3,000〜4,000程度(ジェネリックなら¥2,000〜3,000)。
ただし実際には、KEYNOTE-522 レジメンやゲムシタビン併用での使用がほとんどで、化学療法期間中の合計は月数万円〜十数万円程度になります。所得により高額療養費制度の対象です。
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※ 現在飲んでいる薬・サプリ・市販薬がある場合は、主治医や薬剤師に伝えると安心です。
※ この情報は一般的な参考情報です。実際の治療方針・用量・期間は、病状・体調・他のお薬との兼ね合いで異なります。必ず主治医と相談してください。
最終更新:2026-05-19