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おくすり図鑑 プラチナ系抗がん剤 K013

カルボプラチン

かるぼぷらちん (パラプラチン)

ブレきゃん流ひとこと説明

がん細胞のDNAをガッチリ結合して、コピーをできなくする「白金(プラチナ)」の抗がん剤。

基本情報

分類
プラチナ系抗がん剤
はたらき
DNAを白金で固める
のみ方・打ち方
点滴
使う場面
トリプルネガティブ・遺伝性乳癌卵巣癌 手術の前・手術のあと・転移・再発
使われるレジメン
J009ペムブロリズマブ併用療法(周術期) J020ペムブロリズマブ併用療法(転移・再発)

よくある副作用

  • 骨髄抑制(特に血小板減少)
  • 倦怠感
  • 吐き気・嘔吐
  • 食欲不振
  • 末梢神経障害(軽め)
  • 脱毛(軽め〜中程度)

注意したい副作用

  • 重度の血小板減少(出血リスク)
  • 過敏症反応(反復投与で増えやすい)
  • 腎機能障害(シスプラチンよりは軽い)
  • 聴力障害(まれ)
いま注目されている使い方

近年、TNBCの術前化学療法にカルボプラチンを加えると、pCR率や無病生存率(EFS)が改善する ことが、複数の臨床試験で示されてきています。

・PEARLY試験(韓国、ASCO 2024):5年EFS 81.9% vs 74.4%(+7.5%)

・NeoCART試験(中国、ASCO 2020):pCR 61.4% vs 38.6%

・SABCS 2025 プール解析:3試験のメタ解析でpCR・EFSとも改善を確認

KEYNOTE-522 レジメンの背景にあるのも、こうしたカルボプラチンの上乗せ効果の知見です。

どうやって効く?

「プラチナ製剤」と呼ばれるこの薬は、白金(プラチナ)原子が DNA に強く結合 して、DNA を「固めて」しまいます。固まった DNA はコピーできないので、がん細胞は分裂できずに死んでいきます。

特に BRCA変異 があるがん細胞は DNA の修復が苦手なので、プラチナの効きが良いことが知られています。

シスプラチンとの違い

効きの強さ/シスプラチン 強い/カルボプラチン 同等〜やや弱い

吐き気/シスプラチン 非常に強い/カルボプラチン 中程度

腎毒性/シスプラチン 強い(大量輸液必要)/カルボプラチン 軽い

聴力障害/シスプラチン あり/カルボプラチン 少ない

血小板減少/シスプラチン 軽い/カルボプラチン やや強い

乳がんでは カルボプラチンの方が広く使われる(副作用が日常生活に響きにくいため)。

AUC(投与量の計算)

カルボプラチンは「mg/m²」ではなく AUC(Area Under the Curve) という指標で投与量を決めます。AUC 5・AUC 6 などの値があり、患者さんの腎機能(クレアチニンクリアランス)から個別計算します。

過敏症(アレルギー反応)

カルボプラチンは 反復投与で過敏症(アレルギー反応)が増える という特徴があります:

・6サイクル目以降で出やすい

・かゆみ・じんま疹・呼吸困難など

・症状があれば即座に主治医へ

食事・飲み合わせ

他の薬:

・腎毒性のある薬(一部の抗菌薬など)

妊娠・授乳

この薬は妊娠中・授乳中には使えません。使っている期間の避妊について、主治医に確認してください。