AC療法/EC療法
えーしーいーしーりょうほう(AC / EC regimen)
"乳がんの抗がん剤治療といえばこれ"というレジメンだよ。通称「赤い悪魔」とも呼ばれるドキソルビシンというお薬が使われるから吐き気やだるさを心配されることも多いけど、最近は吐き気止めの進歩のおかげで以前よりはずいぶん副作用がおさえられるようになったよ。
"乳がんの抗がん剤治療といえばこれ"というレジメンだよ。通称「赤い悪魔」とも呼ばれるエピルビシンというお薬が使われるから吐き気やだるさを心配されることも多いけど、最近は吐き気止めの進歩のおかげで以前よりはずいぶん副作用がおさえられるようになったよ。
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アンスラサイクリン系薬剤(ドキソルビシンまたはエピルビシン)とシクロホスファミドによる2剤併用の点滴治療。3週間に1回を4サイクルくり返します。術前・術後の化学療法の中核をなすレジメンで、多くはこのあとタキサン系薬剤へ移行します。転移・再発の治療でも使われます。
基本情報
- 使う場面
- 術前化学療法術後化学療法転移・再発治療
- 投与間隔
- 3週間に1回
- サイクル数
- 4サイクル(12週間)
- 催吐性リスク
- 高度
- 使用される薬剤
- ドキソルビシン (アドリアシン) シクロホスファミド (エンドキサン)
- 治療する場所
- 外来 ※施設によって初回のみ入院/全期間入院
- 使う場面
- 術前化学療法術後化学療法転移・再発治療
- 投与間隔
- 3週間に1回
- サイクル数
- 4サイクル(12週間)
- 催吐性リスク
- 高度
- 使用される薬剤
- エピルビシン シクロホスファミド (エンドキサン)
- 治療する場所
- 外来 ※施設によって初回のみ入院/全期間入院
治療スケジュール
よくある副作用
| 症状 | 対処法 |
|---|---|
| 吐き気・嘔吐 | 点滴の前と、そのあと数日間、予防の吐き気止めを使います。それでも出るときは追加の薬を出してもらえます |
| だるさ | 投与のあと数日がいちばん強く、次の投与までに回復します。無理をせず休む |
| 脱毛 | 2〜3週間後から抜けはじめます。治療が終わればまた生えてきます。ウィッグや帽子は早めに準備 |
| 白血球(好中球)の減少 | 投与の7〜14日後ごろにいちばん下がります。手洗いと、人混みを避けること。熱が出たらすぐ連絡 |
| 口内炎 | 口の中を清潔に保ち、うがいをこまめに。痛いときは痛み止めや塗り薬 |
| 便秘・下痢 | 水分をしっかりとる。続くときは整腸剤や下痢止めを出してもらえます |
| 尿が赤くなる | 投与のあと1〜2日、薬そのものの色で赤〜オレンジ色になります。血尿ではありません |
| 月経が止まる | 治療中に止まることが多く、若い方では治療後に戻ることもあります。妊娠の希望がある方は治療の前に主治医へ |
病院に連絡する目安
すぐに連絡
その他の基準
- 口内炎で食事がとりにくい
- 便秘や下痢が3日以上続く
- 眠れない、気分が落ち込む
- 手足のしびれ
迷ったら連絡してください。連絡先(病院の電話番号と、夜間・休日の窓口)は、初回の点滴のときに確認しておきましょう。
ACとECの違い
アンスラサイクリン系に何を用いるかの違いです。ACはドキソルビシン、ECはエピルビシン。シクロホスファミドはどちらにも入ります。
日本ではこの2つを同列に扱っており、どちらを選ぶかは施設の方針によります。投与間隔・サイクル数・吐き気止めの使い方は共通です。
スケジュール通りに投与できないとき
投与が予定どおりにいかないことは珍しくありません。NSABP B-15試験では、予定より遅れたサイクルがあった方が15.6%でした。理由はさまざまで、投与の日に白血球(好中球)が十分に戻っていない、かぜなどの感染症にかかった、祝日や病院の都合、仕事や家の事情、などです。
ただし、遅れや減量が積み重なると、治療の効果に影響することが分かっています。目安は「予定していた量と期間の85%」で、12週間の治療なら合計2週間ほどの遅れに相当します。
だから主治医は、白血球を増やす注射(G-CSF)や薬の量の調整で、なるべく予定どおりに進むようにしています。1回の延期で慌てる必要はありませんが、予定の日を空けておくこと、体調の変化を早めに伝えることが、予定どおりに進めるいちばんの近道です。
臨床試験
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NSABP B-15
AC療法4サイクル(約3ヶ月)と、それまで標準だったCMF療法6サイクル(約6ヶ月)を比べた試験です。再発の抑え方と生存に差がなく、期間の短いAC療法が標準になりました。
Fisher B, et al. J Clin Oncol. 1990;8:1483-96. PubMed
-
EBCTCG メタ解析(2023)
アンスラサイクリン系とタキサン系を含む術後化学療法の試験86本、約10万人をまとめて解析したものです。アンスラサイクリン系を含む治療で再発が減ること、一方で白血病が700人に1人ほど増えることが示されています。
Early Breast Cancer Trialists' Collaborative Group(EBCTCG). Lancet. 2023. PubMed