免疫関連有害事象(irAE)
めんえきかんれんゆうがいじしょう(immune-related adverse events)
免疫のブレーキを外してがんを攻撃させる薬、ペムブロリズマブ(キイトルーダ)やアテゾリズマブ(テセントリク)の副作用だよ。
ブレーキが外れた免疫が、自分の正常な臓器まで攻撃してしまうことがあるんだ。
乳がんの治療でいちばん多いのは甲状腺で、だいたい6人に1人。皮膚、肺がそれに続くよ。
ふつうの抗がん剤の副作用と違って、体のどこに出るか分からない、治療が終わってからも出ることがある、対処が副作用ごとに違う、の3つが特徴。
早く気づいて対応すれば、多くはそのまま治療を続けられるんだ。
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免疫チェックポイント阻害薬(ペムブロリズマブ(キイトルーダ)、アテゾリズマブ(テセントリク))で起こる、免疫が自分の正常な臓器を攻撃してしまう副作用の総称。甲状腺・皮膚・肺・腸・肝臓・ホルモンの臓器など、全身のどこにでも起こりうる。多くは軽く、早く気づいて対応すれば治療を続けられるが、対処は副作用ごとに違い、治療が終わったあとに出ることもある。
- 起きやすい人
- 免疫チェックポイント阻害薬(ペムブロリズマブ(キイトルーダ)、アテゾリズマブ(テセントリク))を使う人。乳がんでは主に トリプルネガティブ乳がん
- 起きる時期
- 治療中はいつでも。治療が終わって何ヶ月〜何年もたってから出ることも
- 頻度
- 3〜4人に1人に何らかのirAE。重いもの(グレード3以上)は5〜13%
- 対処
- 副作用ごとに違う。まず主治医に連絡
よくある症状
乳がんで免疫チェックポイント阻害薬を使う3つの治療(ペムブロリズマブ(キイトルーダ)+抗がん剤の手術前後、ペムブロリズマブ(キイトルーダ)+抗がん剤の再発・転移、アテゾリズマブ(テセントリク)+ナブパクリタキセルの再発・転移)の臨床試験で報告された頻度です。
| 症状 | 疑われるirAE |
|---|---|
| はじめは動悸・汗、そのあとだるさ・むくみ | 甲状腺(15〜18%) |
| かゆみ・発疹・赤み | 皮膚(発疹は3人に1人。重いものは2〜6%) |
| 息切れ・空咳 | 肺(2〜5%) |
| 下痢・腹痛・血便 ※ | 下痢・大腸炎(1〜2%) |
| 強いだるさ・食欲不振 | 副腎(2〜3%) |
※ ※ 市販の下痢止めで様子を見ると、かえって重症化することがあります。下痢や血便が出たら、まず主治医や看護師に連絡を。
KEYNOTE-522(Schmid P, N Engl J Med 2022・2024)、KEYNOTE-355(Cortes J, N Engl J Med 2022)、IMpassion130(Schmid P, N Engl J Med 2018)の有害事象の表を元に作成
すぐに病院に連絡するべきサイン
次のサインが出たときは、予定の受診日を待たずに連絡してください。
| こんな症状 | 疑うもの |
|---|---|
| 息切れ・胸の痛み・強い動悸 | 心臓や肺 |
| 水をたくさん飲む・尿が増える・急にだるい | 1型糖尿病 |
| 手足に力が入らない・しびれが広がる | 神経 |
| 激しい下痢・血便・強い腹痛 | 腸 |
| 意識がもうろうとする・強いふらつき | ホルモンの臓器や脳 |
これらの症状は、かぜや胃腸炎など別の原因でも起こります。自己判断せず、まず病院に連絡してください。
ふつうの副作用との違い
抗がん剤の副作用は、出る場所と時期がだいたい決まっています。吐き気は点滴のあと数日、脱毛は2〜3週間後、というように、主治医も本人も備えることができます。
一方irAEは、体のどこに出るかもいつでるかも分かりません。皮膚、腸、肺、肝臓、甲状腺や副腎などホルモンの臓器、神経、心臓、目まで、全身が対象です。
対処の考え方も異なり、抗がん剤の副作用は体から抗がん剤が抜けるまで症状を抑える薬で乗り切りますが、irAEは攻撃しているのが自分の免疫そのものなため、ステロイドなどで免疫の力を抑える必要があります。甲状腺や副腎は、免疫に攻撃されて生きるのに必要なホルモンが出せなくなってしまうため、足りなくなったホルモンを飲み薬で補います。
だから免疫チェックポイント阻害薬を使ったことがある人は、どんな症状でも様子を見ないで、まずは連絡する、を基本にしましょうね。
アンケート
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