局所治療と全身治療の違い

診察や説明の中で、「局所治療」「全身治療」という言葉を何度も耳にしますよね。似ているようで、何がどう違うのか分かりにくいかもしれません。ここで一度、やさしく整理しておきましょう。

乳がん治療は、大きく2種類に分かれます。

  • 局所治療:その場所のがんを叩く
  • 全身治療:全身のがん細胞を叩く

この2つを組み合わせるのが、乳がん治療の基本戦略です。

局所治療

その場所(乳房・リンパ節など)にあるがんを直接やっつける治療です。

局所治療の種類

    • 手術:見えるがんを取り除く
    • 放射線治療:がんに高エネルギーを当てて壊す

「ここを治療したから、ここがよくなる」という分かりやすい関係。範囲は限定的ですが、その場所のがんに対しては強力です。

全身治療

体じゅうに薬を行き渡らせて、全身のがん細胞を叩く治療です。

全身治療の種類

    • 抗がん剤治療
    • ホルモン療法
    • 抗HER2療法
    • 免疫療法
    • 分子標的薬

「目に見えないがんのタネ」も含めて、全身のどこにいるかわからない細胞を叩く治療です。

組み合わせるのが基本

乳がん治療は、両方を組み合わせて最大効果を狙います。

たとえば標準的な順番は、

  1. 手術(局所治療):見えるがんを取る
  2. 放射線治療(局所治療):取り残しを叩く
  3. 全身治療:見えないタネを退治

または、ステージⅢやHER2陽性・TNBCでは、

  1. 全身治療(術前抗がん剤):まずタネと大きなしこりを叩く
  2. 手術(局所治療)
  3. 放射線
  4. 全身治療

という順番もあります。

順番が人によって違うと、不安に感じるかもしれません。でもこれは、あなたのがんの性質に合わせて順番を選んでいるからこそ。どちらが良い・悪いということではありません。

まとめ

局所治療と全身治療、それぞれの役割が見えてくると、いま受けている治療がどう組み合わさっているのか分かりやすくなります。分からないことは遠慮なく主治医に聞きながら、一緒に確認していきましょう。

※この記事は一般的な医学情報です。実際の治療方針は、病状、検査結果、体調、価値観によって異なります。必ず主治医と相談してください。

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