「トリプルネガティブは効く薬が少ない」——もし、ひと昔前のイメージで不安になっているなら、どうか安心してください。
この10年で、TNBCの治療はもっとも大きく進歩した分野のひとつです。「抗がん剤しかない」と言われた時代から、いくつもの新しい選択肢が加わりました。いま使える治療を整理してみましょう。
早期(手術で治しきる段階)の治療
手術の前に、抗がん剤+免疫療法(KEYNOTE-522)
ステージⅡ・Ⅲの早期TNBCでは、
- 手術の前:抗がん剤 + ペムブロリズマブ(キイトルーダ)
- 手術
- 手術のあと:ペムブロリズマブを続ける(合計で約1年間)
という流れが標準になりつつあります。
手術のとき、がんが残っていたら
術前の治療のあと手術してみて、がんがまだ残っていた場合(完全には消えていなかった場合)は、再発を防ぐために治療を追加します。
- カペシタビン(ゼローダ)という飲み薬を追加
- BRCA変異があれば、オラパリブ(リムパーザ)も選択肢
「手術でがんが残っていた」と聞くと落ち込みますが、そこからの”追い打ち”の治療で、再発のリスクをしっかり下げられることがわかっています。
あきらめなくて大丈夫ですよ。
進行・再発したときの治療
転移・再発の場面でも、選択肢は増えています。
主な選択肢
- 抗がん剤(PD-L1陽性ならペムブロリズマブ(キイトルーダ)を併用)
- サシツズマブ ゴビテカン(トロデルビ)(TROP2を狙う薬)
- T-DXd(エンハーツ)(HER2 lowの場合)
- BRCA変異あり:オラパリブ(リムパーザ)・タラゾパリブ(ターゼナ)
どの薬を・どの順番で使うかは、PD-L1やHER2 low、BRCAの状況、これまでの治療によって決まります。使える薬や使う順番は年々広がっていて、以前は後の段階で使っていた薬が、より早い段階で使えるようになってきています。
まとめ
※この記事は一般的な医学情報です。実際の治療方針は、病状、検査結果、体調、価値観によって異なります。必ず主治医と相談してください。