AC療法/EC療法
えーしーいーしーりょうほう(AC / EC regimen)
概要
アンスラサイクリン系薬剤とシクロホスファミドによる2剤併用の点滴治療。3週間に1回を4サイクルくり返します。周術期治療の中核をなすレジメンで、多くはこのあとタキサン系薬剤へ移行します。
乳がんの化学療法の土台にあたる組み合わせです。1980年代から使われてきた分、副作用の出かたも対処法もよく分かっています。
ACとECは日本では同列。名前が違っても、通う回数もやることも変わりません。
- 使う場面
- 術前化学療法/術後化学療法
- 投与間隔
- 3週間に1回
- サイクル数
- 4サイクル(およそ12週間)
- 催吐性リスク
- 高度(4段階でもっとも強い区分)
- よくセットで行うもの
- 多くはこのあとタキサン系薬剤へ
- 使う場面
- 術前化学療法/術後化学療法
- 投与間隔
- 3週間に1回
- サイクル数
- 4サイクル(およそ12週間)
- 催吐性リスク
- 高度(4段階でもっとも強い区分)
- よくセットで行うもの
- 多くはこのあとタキサン系薬剤へ
つかう薬
くすりの説明書
国(PMDA)が公開している文書です。ご自身が受け取った薬の名前で探してください。
ドキソルビシン塩酸塩
後発品をみる(2件)
シクロホスファミド水和物
エピルビシン塩酸塩
製品をみる(3件)
エピルビシン塩酸塩注射用10mg「NK」/エピルビシン塩酸塩注射用50mg「NK」
ヴィアトリス・ヘルスケア/日本化薬
添付文書 2024年7月1日 改訂
シクロホスファミド水和物
吐き気を防ぐ薬
AC/EC療法は高度催吐性リスクに分類されます。制吐薬は4剤を併用するのが基本です。
- 5-HT3受容体拮抗薬
- NK1受容体拮抗薬
- デキサメタゾン(ステロイド)
- オランザピン 5mgを1日目から4日目の夕食後
糖尿病がある場合、日本ではオランザピンが禁忌です。残る3剤で予防します。
オランザピンは眠気が出やすい薬です。ただし強い眠気が増えるという結果ではありません。
制吐薬適正使用ガイドライン2023年10月改訂 第3版(日本癌治療学会 編)を元に作成
重い副作用
割合はNSABP B-15試験より一部引用。
-
好中球が減っている時期の発熱。緊急の対応が必要です。時間帯を問わず病院へ連絡してください。
- 心機能の低下 0.4%
うち症状を伴ったものは0.1%。アンスラサイクリン系には生涯総投与量の上限があり、ドキソルビシン換算500mg/m²が目安です。
-
治療から年単位を経て、白血病や骨髄異形成症候群が生じることがあります。頻度は不明。
-
血管外に漏れると皮膚障害を起こします。点滴中の痛み・はれは、その場で知らせてください。
他の副作用もみる
発熱性好中球減少症は頻度を載せていません。同じレジメンでも試験によって数値が大きく異なり、一つの数字に代表させられないためです。
Fisher B, et al. J Clin Oncol. 1990;8:1483-1496.(NSABP B-15試験)
嘔吐・吐き気の詳細
症状がでやすい時期
| 区分 | 時期 |
|---|---|
| 急性期 | 投与当日(24時間以内) |
| 遅発期 | 2〜5日目(24〜120時間) |
| 超遅発期 | 5日目以降も続くことがあります |
制吐薬適正使用ガイドライン2023年10月改訂 第3版(日本癌治療学会 編)を元に作成
吐き気を防ぐ薬の効果
| 何を数えたか | 割合 | |
|---|---|---|
| 制吐薬なしの時代 | 吐き気か嘔吐があった | 91.4% |
| 現在の制吐療法 | 5日間 嘔吐なし | 46.9% |
上はNSABP B-15試験(1990年)、下はIto 2018。試験も年代も対象も異なるため、この2つを差し引きすることはできません。同じレジメンでも、制吐療法がこの36年で変わったことを示す数字です。
ACとECの違い
アンスラサイクリン系に何を用いるかの違いです。ACはドキソルビシン、ECはエピルビシン。シクロホスファミドはどちらにも入ります。
日本ではこの2つを同列に扱っており、どちらを選ぶかは施設の方針によります。投与間隔・サイクル数・制吐療法は共通です。
よくセットで行われるレジメン
AC/EC療法だけで完結することもありますが、多くはこのあとタキサン系薬剤へ移ります。合わせておよそ6か月。
つなぎ方は、腫瘍の性質と再発リスクによって変わります。
治療の遅延
NSABP B-15試験では、予定より遅れたサイクルがあった方が15.6%。血球の回復を待って1週間ずらすことは珍しくありません。
尿の色が変わることがあります
ドキソルビシンを用いた場合、投与後1〜2日は尿が赤〜オレンジ色になります。薬剤そのものの色で、血尿ではありません。
関連するレジメン
関連する用語
関連する治療チャート
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参考資料
- 乳癌診療ガイドライン2026年版(日本乳癌学会 編)
- 制吐薬適正使用ガイドライン2023年10月改訂 第3版(日本癌治療学会 編)
- G-CSF適正使用ガイドライン2022年10月改訂 第2版(日本癌治療学会 編)
- Fisher B, et al. J Clin Oncol. 1990;8:1483-1496.(NSABP B-15試験)
- Ito Y, et al. J Clin Oncol. 2018;36:1000-1006.