テガフール・ギメラシル・オテラシル

商品名:ティーエスワン(S-1)
フッ化ピリミジン系(経口抗がん剤) 💊 経口 ホルモン陽性 術後(高リスク)進行・再発
ブレきゃん!
DNAの材料の工場を止める飲み薬。3成分の組み合わせで、効果を長く・副作用を軽くする工夫がされているよ!

📅 投与方法・期間

術後は2週内服→1週休薬を1年。進行・再発は4週内服→2週休薬。1日2回(朝・夕食後)。

標準的な治療期間:術後で1年、進行・再発で病勢進行まで

⚠️ よくある副作用

  • 流涙(涙が出やすい・目のかすみ)
  • 色素沈着(指先・口の周り)
  • 下痢
  • 口内炎
  • 倦怠感
  • 吐き気・食欲不振

🚨 まれだが注意したい副作用

  • 重度の骨髄抑制
  • 重度の下痢・脱水
  • 涙道閉塞(流涙が続く場合)

🍽 食事・飲み合わせ

食事:

  • 食後服用(吸収が安定)

他の薬:

  • ワルファリン:抗凝固効果が増強
  • 他のフッ化ピリミジン系:併用禁忌

🤰 妊娠・授乳について

この薬は妊娠中・授乳中は禁忌です。服用期間中の避妊について必ず主治医にご確認ください。

どんな人が対象?

ホルモン陽性HER2陰性で高リスクの術後追加治療、もしくは 進行・再発乳がんで、点滴以外の抗がん剤の選択肢として 使われます。

  • 術後追加:POTENT試験を根拠に、ホルモン療法と一緒に1年間内服
  • 進行・再発:他の薬で効きにくくなったあとの選択肢

術後追加では、ベージニオ(アベマシクリブ)と並ぶ「高リスク術後の二大選択肢」になります。詳しくは No.3100 TS-1とベージニオどっち? を。

どうやって効く?

ティーエスワンの本体「テガフール」は、体内で 5-FU(フルオロウラシル) に変わって働きます。

5-FU は、DNAの材料のひとつ「T」を作る工場(チミジル酸合成酵素)の中に入り込み、工場を動かなくしてしまいます。

「T」が足りなくなったがん細胞は、設計図(DNA)をコピーできなくなり、分裂が止まります。
(こういう薬を 代謝拮抗薬 と呼びます。カペシタビンと同じ仲間です。)

3成分の意味

ティーエスワンには3つの成分が入っています:

  • テガフール:体内で 5-FU に変換される成分(本体)
  • ギメラシル:5-FU の分解を抑え、効果を長持ちさせる
  • オテラシル:消化管への影響を減らし、下痢を軽減

3つが組み合わさることで、効きながら副作用を軽くする設計です。

特徴的な副作用:色素沈着と流涙

  • 色素沈着:指先・爪・口の周りが黒っぽくなる。治療終了後に元に戻ります
  • 流涙:涙が出やすくなる、目がかすむ。重度になると 涙道(鼻涙管)が狭くなって閉塞 することがあり、放置すると眼科治療が必要になります。症状が続いたら早めに主治医・眼科に相談してください

服薬のリズム

術後追加治療としては、「2週飲んで、1週休む」を1年間繰り返します。

進行・再発で使う場合は、「4週飲んで、2週休む」と、休薬期間が長めになります。

いずれもカレンダー管理が必要で、毎日朝晩の服用に加えてサイクルを把握しながら飲んでいきます。

お金の話

3割負担で 月¥7,000〜10,000程度。1年間の合計で先発のみだと10万円前後になりますが、所得により高額療養費制度の対象になることもあります。

📚 関連する体系記事

※ 現在飲んでいる薬・サプリ・市販薬がある場合は、主治医や薬剤師に伝えると安心です。

※ この情報は一般的な参考情報です。実際の治療方針・用量・期間は、病状・体調・他のお薬との兼ね合いで異なります。必ず主治医と相談してください。
最終更新:2026-05-19

← おくすり図鑑の一覧へ