ここまで記事を読んでくださった皆さんは、ステージ・サブタイプ・Ki-67と、がんの性質を表す数字をたくさん学んでこられたと思います。でも、まだあるんです。もう少しなので、最後のひと踏ん張り。
今回は「組織学的グレード」について解説していきます。
「グレード3でした」
「組織学的グレードは2です」
病理結果でこんな数字を渡された方も多いのではないでしょうか。「グレードってなんやねん」と、いきなり出てきた数字にびっくりされた方、そもそも主治医から数字を伝えられていない方、さまざまかと思います。
ひとことで言うと、組織学的グレードはがん細胞の「顔つき」が、本来の正常な細胞からどれくらいかけ離れているかを表す数字です。
グレードは「設計図の壊れぐあい」
私たちの体の細胞は、DNAという設計図をもとに作られています。
がん細胞は、その設計図のあちこちが書き換えられたり壊れたりして、本来の細胞とは違う「顔つき」になっています。
組織学的グレードは、その「設計図の壊れぐあい」を、顕微鏡で見て採点したものです。
グレードを決める3つの観点
- がんが腺管(くだ)の構造をどれくらいつくれているか(腺管形成度)
- 細胞の核(DNAが詰まっている部分)の見た目の乱れ(核異型度)
- 細胞が分裂している様子がどれくらい多いか(核分裂の数)
それぞれを点数化して合計し、最終的にグレード1〜3に分けます。
グレードの意味
- グレード1(低異型度):正常細胞に近い見た目/ゆっくり増える
- グレード2(中異型度):その中間
- グレード3(高異型度):見た目がかなり乱れている/速く増える
グレードとKi-67の違い
組織学的グレードもKi-67も、どちらも「増殖の速さ」に関係する指標ですが、少し違います。
グレードが高いと、どうなるの?
グレード3(高異型度)の場合、
- 増殖が速い
- 抗がん剤が効きやすい
- 一方で、進行が速い傾向
という特徴があります。
ただし、グレードだけで治療方針が決まるわけではありません。サブタイプ・ステージ・Ki-67・オンコタイプDX など、いくつもの情報を組み合わせて、その人にあった治療を決めていきます。
実は「核グレード」っていう別のグレードもあるんだ。これは組織学的グレードから腺管形成度(がんがどれだけ正常な腺管(くだ)の構造をつくれているか)を外したもので、昔はこっちが主流だったんだよ。今は、そもそも腺管をつくらない特殊型の乳がんなどで使われることがあるよ。
まとめ
※この記事は一般的な医学情報です。実際の治療方針は、病状、検査結果、体調、価値観によって異なります。必ず主治医と相談してください。